2022年10月12日(水)、気がついたら、音楽が音痴に聞こえるようになりました。
アメリカの医療保険は、こういう風に機能するのね…と実感した治療経過の記録です。
セカンドオピニオンの重要性、それから、運が良ければ本当に親切なドクターに出会えることを知る良い経験になりました。
日本で聞いていたような「医療はアメリカが進んでいる!」というのは、全てに当てはまる訳ではなさそう…と思ったお話です。
症状が出てから(DAY 1)、オフィシャルに診断されるまで(DAY 9)のタイムラインはこんな感じです。
ここでは、治療の内容を中心に記録しました。突発性難聴の症状とその経過は下記リンク先へどうぞ。
DAY 1:耳の調子がおかしい…病院へ電話して聞いてみる
左耳の聞こえがおかしくなってから数時間後、旦那さんが帰宅しました。
聞こえ方がおかしいと自分では思っていましたが、第三者に音楽を聴いてもらって、私の想像ではなかったと証明したかったので、旦那さんに音楽を聴いてもらったり、騒音が聞こえるか確認しました。
それで、やっぱり私の左耳だけがおかしいと判明しましたが、聞こえがおかしい他にモーター音みたいな耳鳴り、ちょっと傾きを感じるとかありました。ただ、その夜にERに行くまでもないかなぁ…と思ったり。
でも、症状が出てることは確かで、ネットによると突発性難聴の症状にとても似ていて、それだと早めに診てもらう必要がある、と書いてあったので、ひとまずプロフェッショナルの指示を仰ごうということになりました。
電話で相談したくても、待ち時間が長すぎ
その道のプロに判断をまかせようと思い、病院のコールセンターに電話してみました。
電話せずにERへ行くこともできなくはなかったのですが、七転八倒するような症状ではなかったので、症状が落ち着いている(というより症状に慣れてきた)今なら、電話を先にして様子を見るというのでもいいかな…と。
ところが!
電話すると、待ち時間1時間30分と言われ、この時点で「もういいや。」という気持ちに…。
症状が急にひどくなったら、ERへ行く心算をしながら、折り返しの電話を待ちました。
その後、折り返しの電話があり、現状を電話受付係の人に話すと、ナースから後で折り返し電話すると言われ、病院からの電話を待つことになりました。どんだけ待たせるんだ…。
そうこうしていると、そこそこの待機時間のみで電話がかかってきました!
患者の症状をもう少し詳しく聞いた方がいいのではないでしょうか…
電話口ではナースに症状などを質問されました。質問の内容は、たしかこんな感じでした。
- どういった症状か
- これまでに耳の怪我や病気にかかったことがあるか
- 詰まりがあるか
- 耳垢がたまっていないか
- 耳垂れがあるか
- 痛みはあるか
- アルコール飲酒の有無
- 発熱の有無
- 過去に耳の病気や手術をしたことがあるかどうか
電話口で、私は再三、聞こえない音があって(低音)、自分の声が響く、音楽が二重三重に聞こえ、モーター音みたいなのが聞こえる、という主症状を訴えましたが、症状に対応した質問はされずに一般的な問診だけでした。
私の症状を反映しない質問と回答を延々とした後、ERは不要と判断され、ナースからの提案が「ビデオコールか電話で医師による診察をしましょう」でした。
そのドクターはマジシャンか何かか?遠隔で私の耳を触って中を確認して聴力検査するのか?
私は、聴力に問題があると訴えているのに、ナースのその回答に絶句&絶望していると、隣で見かねた旦那さんが電話を代わり、続きを話してくれることになりました。
しかし、それでも「ビデオコールか電話の診察」は譲れないようで、さらに驚くことに、その対応が可能なドクターの空きを探すも、翌日も明後日も誰も空いてないとのこと。
その時点で、私も旦那さんも、やり場のない怒りがピークに達して、とにかくこの無駄に思える電話を終えたい気持ちの方が大きくなってきました。
とりあえず、リモート診察できるドクターの空きがないので、一旦この電話は終わって、今晩、ドクターを見つけ次第ドクターから直接電話をしてもらいます、と言われました。
電話がくることは全く期待していなかったのですが、ここは期待を裏切らない。本当に電話はなかった!
この時点で、ERに行ってもよかったですが、前回ERに行った時は、このナースとの電話相談でナースに直接「これは聞きたくない結果だと思うけど、ドクターに症状を伝えたら、今からERに行ってとのことでした。」と言われたので、今回は言われなかったということで、そこまで緊急ではないということだよな…と判断しました。
その後、なんとなく聞こえ方は、完璧ではなくエコーだったりなんか欠けてたりしますが、元に戻ってきたような感じで、寝る頃には音楽も聞けないレベルではなくなっていたので、翌朝に目が覚めたら治ってることを祈ってそのまま寝ました。
DAY 2:診察行ったけど、かなり微妙
昨晩、病院から電話があるといって結局なかった件は、こういう感じのアメリカにも慣れてきて、「だろうね!」ってある程度、予想ができるというかなんというか…それも悲しいけれど。
「昨晩、電話こなかったよね〜やっぱりだよね〜」と平和な朝を過ごし、午前中にERに突撃訪問しようと思っていたところ、なんと病院から電話がかかってきて、リモート診察どころか、今日の午前に空きがあるからファミリープラクティスに診てもらいたいなら行ってもいいよ的な連絡が。
ただ、私が行っている病院のファミリープラクティスのドクターは頻繁に辞めるので、まともに診てもらったことがなく、毎度「初めまして」で始まるのですが、この際、誰でもいい。
というわけで、急遽、普通の診察に行くことに。
まずは身体測定
病院につくと、まず受付→支払いをすませ、待ち合いエリアで名前が呼ばれるのを待ちました。
けっこうゴホゴホ咳き込んでいる人が多く、アメリカだと風邪で病院なんて行かないっていうけど、意外と来るんだな(風邪じゃないかもしれないけど)、と思ったり。
ナースに呼ばれて、どういう理由なのか、病院にいくと必ずこのセットをします。
- 体重測定
- 血圧測定
- 体温測定
- 身長…は、なぜか自己申告
どの病院でもするのかどうかはわかりませんが、私が行く病院では必ずします。ERに行った時もしました。
でも、血圧についてなにかコメントをもらったりとか、体重管理の話とかそういうものは全くないです。とても機械的に「あなたの健康管理はとっても大事です」な雰囲気を出すためにやってるんじゃないかと想像してます。
なぜなら、「健康だね!」と言われたこともなければ、「ここ気をつけた方がいいよ」と言われたこともないからです。
渡米直後、1番最初に担当してもらった、ファミリープラクティスのドクターは基本的なところを一緒にリビューしてくれましたが、それ以外ではないかな。
私は耳の異常で病院に来たのですが…
オフィスに入ると、ナースが今日はどうして来たのか昨日の記録を確認しました。
それでなんとなく説明する流れになったので、私が昨日の出来事をとっても詳しく説明していると、どうもナースの手の動きがとまっています…詳細に耳の変化を話しているのに、ちーーーーーーーーっとも聞いている様子もないし、メモを取ってる様子もない。
それどころか、私の報告が終わるや否や、「今日、ドクターが子宮頸がん検診をしたいと言っているんだけど、どう? あなたも、再度病院来るの、面倒臭いでしょ?」と、私の願いである聴力検査には全く触れずに、子宮頸がん検診の話ばっかり!
「聴力検査はしてもらえますか?」と聞くと、「それは、ドクターが決めるから。で、子宮頸がん検診どうする?」と、もうナースの頭の中は、がん検診ばっかり。
耳の異常で病院にきたのに、まさかの子宮頸がん検診推し。
そんなこと言われるとも思っておらず、心の準備ができていなくて、「え、どうしよ…」とモゴモゴしていたら、ナースから何度も何度も激推し。
ナースの対応を見ていたら、正直なところ、この病院はちょっと信頼できないな…今日一緒に子宮頸がん検診をしたら、保険プランを見直しして、次回からは違う病院に行けるようにしよう、と数分のうちに脳内で考えをまとめて、もうなんでもいいからやってくれっていう気分になり、聴力検査ではなく、子宮頸がん検診をすることに…。
子宮頸がん検診をすると決めると、さらにナースは「flu shotもできるけど、どうする?」とこちらも激推し。
ここまでくると、病院的には私の聴力なんてどうでもいいんだなと思い始めてしまいました。
診断の結果は、swimmer’s ear(外耳炎)
ドクターがオフィスに入り、軽く、とてーも軽く診察が始まりました。
ただ、私の主症状である「音が一部聞こえない」に関しては、完全無視もいいところ。
ドクターの質問も、炎症に関する質問ばかりで、どれも私の症状には当てはまらないので、「痛いとか実際に耳垢が詰まってるとかじゃなくって、音がね…」と何度か伝えたものの、華麗にスルー。
そのスルー能力、私も身につけたい。
最後に「じゃ、ちょっと耳の中見るね」と言って、筒みたいな先端が細い器具を右耳(正常な方)に入れて、「うん、こっちは正常」と言いました。
それで、次に左耳(聞こえない方)に入れると、というか、入れ方がすでに右側と全然違って、右耳と比べてめちゃくちゃ耳を引っ張るし、引っ張られすぎて頭と上半身が左に傾きました。右耳はそんなことしなかったのに!
どんな感じだったかというと、漫画やアニメで親が子供に言うことを聞かせるため、耳を引っ張るシーンを想像していただければと思います。それくらい、頭も引っ張られるくらいに左耳を強く引っ張られました。
器具も右耳に比べるとさらに奥深く入れられて、あまりの痛さに思わず日本語で「いたー!!!」と叫んでしまった次第です。
ドクターが先端につけてた器具をさらに一回り小さいものに変えて、もう一度左耳に入れました。これでもか!ってくらい奥に入れられて、むしろ傷がついているんじゃないか?と不安に思うレベル。
そして、ドクターの診断は「ちょっと感染症になっちゃってるね〜」ていうノリで診断。
そういうわけで、外耳炎と診断されて、サクサクっと外耳炎についての説明書と、処方箋のメモをもらって、ドクターたちの本日のメインイベントである子宮頸がん検診をしました。
産婦人科でしてもらう時は、おなかまわりや胸の触診も一緒にしてくれるけど、今回はそういうのは一切なくて、本当にがん検診のみ。
問題の耳の診察は、ものの1分で終了。
聴力検査、オススメさえもされませんでした。
聞こえない音があって、私は不安なのに聴力検査をしない診断はなんとなく信用できず、オフィスを出て、旦那さんに会った瞬間に、「違う病院に行きたい」と訴えました。
私がもらった“Swimmer’s ear”の説明書によると、下のような症状のことをいうそうです。詳しくはこちらをご覧ください→外耳炎とは?(by NHK)
- inflammation or infection of the ear canal: 外耳道の炎症や感染症
- any water, sand, or other debris that gets into the ear canal and stays there can cause this problem: 水、砂や破片などが外耳道につまり、症状を引き起こす
- putting cotton swabs or other items in the ear to clean it can also cause this problem: 耳を掃除する時に炎症を引き起こすこともある
- swimmer’s ear can be very painful: 外耳炎はめちゃくちゃ痛くなることもある
家での治療法として書かれていたものは「どうやって痛みに対処するか」と「抗生物質の使い方」のみで、聞こえに問題があった私には、ちっとも役に立ちませんでした。
本日の支払い合計
この日は、診察と薬で支払いが発生しました。
内容 | 支払額 |
診察 | $20 |
薬 | $10 |
どちらも、Copayと呼ばれるもので、保険プランで設定されている金額を支払いました。
前に眼科にかかった時は$30だったので、ファミリープラクティスと専門医では、金額が違うようです。そんな知識がないくらい病院に行くことがないので…。
保険ネットワーク外の病院を予約
旦那さんに、オフィス内で起こった一連の出来事を説明しました。
ひどい扱いを受けたなと思っていましたが、同時に、こんなギャグなことある?とも思いました。
耳の異常で病院に行ったのに、なぜか子宮頸がん検診をする羽目になるなんて。
病院を出て、駐車場に戻って車の中で、病院探しを開始。
これ以上ひどい扱いは受けるわけないだろうとも思えたので、もうどこでもいい、とにかく近いところ!という希望だけで探しました。
そこで、旦那さんが近くにあったENT(ear, nose, and throat:耳鼻咽喉科)に電話をして、症状の説明をしたら、どういう手順で診察するかなどを、とっても詳しく説明してくれ、とにかく聴力検査が必須だと言われました。それをしないで診断はできないって。
それから、どこのaudiologist(聴覚学者、聴力検査をしてくれるところ)に行くか、とか私の症状の話などしつつ、途中で先ほど起こった出来事を愚痴のように電話口の人に話したら、そういったケースはよくあるようで、中には最初から「あそこの病院(私と同じ病院)には行きたくないから」といって、元からネットワーク外の病院に通院していることもあるそうです。
医療保険、ネットワークの意味…。
そんなこんなで、無事に聴力検査と耳鼻咽喉科の予約を終え、診察は来週になってはしまったけど、ようやく希望通りに診てもらえそうです。
ちなみに、外耳炎と診断され、万が一にも外耳炎だった時のために処方箋まで買いましたが、電話で話したENT受付の人と聴覚学者と双方ともに外耳炎という診断には、納得してなかった空気を感じました。
外耳炎は、段階的になっていくのが普通だそうで、私の症状からは外耳炎だとは思えないなぁという話ぶりでした。ただ、実際に診察していないので、断定もできないため、フワッとした感じで外耳炎を否定していて、その代わりに一般的な外耳炎の話をしてくれました。
聞けば聞くほど、外耳炎ではない気がしました。
とりあえず、外耳炎なら外耳炎、それも受け止めるけど専門医の診断を待ってから、薬を使い始めようと決めました。
DAY 3〜6:今度こそちゃんと診断してもらうために
外耳炎と診断(こじつけ的に)された時、無理やり左耳を引っ張られたため、時折、左耳が痛むように…。
病院に行くまでは、ちっとも痛くなかったのに、病院に行った後、聞こえも微妙な上、痛みまで出てくる始末。
ただ、常に痛い訳ではなくて、ふとした時に痛さを感じる…トラウマになっているのか思い出すと痛くなる、もう何が何だか分からない状態になってきました。
症状を書き出しておく
病院に行った時、ちっとも自分の話を聞いている様子がなく、メモを取っている様子もなかったので、自分で記録を書き出しておいて、これを提出しようと決めました。
症状が発生してから何日も経過しているので、症状がで始めた時にどういった状況だったのか、詳しく説明できるようにしておいた方がいいかなと思ったのもあります。
あとは、双方の記録のためです。
どれだけ印象的な症状だったとしても、やっぱり日にちが経つと、どんどん詳細を忘れていってしまうだろうと思ったので、自分のためにもメモをつけました。
これから何度同じ説明を繰り返すのか分かりませんでしたが、メモにしておけば次回からは印刷したものを手渡せば、病院側は読むなりスキャンするなりするだろう…と予想。
聴力も回復してきているような気がしたので、診断してもらう際の手がかりになるものが、私の経験したこと以外になくなりつつあるというのも、やや不安になる要因に。
DAY 7:待ちに待った聴力検査
ついに!
希望していた聴力検査の日がやってきました。
日を追うごとに聞こえはよくなってきているものの、たまに聞きにくかったりする時があります。ただ、それはもう気のせいなような気もするし、本当のところはもうよく分かりません。
耳鳴りもないし、音楽が音痴に聞こえることもなくなったので大丈夫だと思いますが、客観的に診てもらいたかったので、ようやく!という感じでした。
日本でこのような複雑な聴力検査をしたことがないので、比較しようがないのですが、備忘録ということで。
問診ってそういうものだよね
午前9時30分の予約でオフィスに訪問すると、聴覚学者の方に迎えられました。どうやら、1人でオフィスを切り盛りしているようです。
軽い挨拶のあと、症状について質問をされました。
電話ですでに症状については説明済みだったのですが、それをさらに深く質問するっていう形ですすみました。
…これが普通のはずだけど、いかんせんファミリープラクティスのドクターは微妙な質問ばかりだったので…。
私の主症状は、「発生時、左耳が低音のみ聞こえなかった」、「自分の声が響いた」と「モーター音のような轟音・騒音が聞こえた(のちに耳鳴りと判明)」です。
なので、それに対応するような質問をされました。質問しながら、理解を深めていくというか。
どういったことを聞かれたかというと…
- 自分の声は響いていたか
- その時の自分のまわりの人の声は響いていたか、いなかったか
- そのほかに響いて聞こえたものはあったか
- 過去にひどい眩暈がしたことがあったか
- 過去に意識を失ったようなことがあるか
- 症状が発生した時に起きた軽い眩暈は、左右どちら側にゆられた感じだったか
- 耳鳴りは、どんな音だったか(音の例を出してくれましたが、どんなのだったか忘れました)
など、覚えている範囲でこのようなことを聞かれました。
もうこの時点で、すでに先日のファミリープラクティスとは内容が違いすぎて。
この日は聴力検査だけなので、診断は別の先生ですが、「来て良かったな」と思えました。
聴力検査の内容
これまで聴力検査といえば、ヘッドフォンつけて「ピー」と聞こえたら手元にあるボタンを押す、という形式のものしかやったことがなかったので、同じような感じかと思ったら違いました!
最初の検査は、耳の機能の確認です。
鼓膜などを機械を使って確認するのですが、その前に先生がファミリープラクティスと同じ機械で耳の中を確認しました。
そのやり方といったら、雲泥の差です。
先日は、これでもか!っていうほど耳を引っ張られ、器具を中に突っ込まれたので、ちょっとビビっていましたが、今回はそっと確認。日本の耳鼻科でもこんな感じだったなっていうレベルです。
「耳の中はキレイだね!」と言われたので、「外耳炎じゃないってこと?」と聞くと、「感染症とか炎症は見られない」とハッキリ言われました。
…だと思ったよ!
その後は、機械を使って鼓膜などが正常に機能しているかどうかの確認でした。
スポンジのついた耳栓みたいなものを入れて、ただただされるがままに座っていればいいだけでした。
こちらも、正常に機能していて問題ないとのこと。
これはちょっと難しかったです。
というのも、聞こえに問題があるというより、英語力の問題が…。
何か聞こえてはいるけど、なんの単語を言ってるのか分からないので(聞いた事のない単語は発音できない)、単語が分からない時は「聞こえはするけど、なんて言ったか分からない」とたまに答えました。
でも、そのあたりは先生も察してくれてたと…(思いたい)。
ようやく親しみのある聴力検査になりました。
左か右かは言われませんが、とにかく少しでも聞こえたら手を挙げてという指示でした。
途中から、聞こえてるのか、幻聴なのか悩むほど小さい音になりましたが、幻聴かどうか悩むほどに聞こえてるという事だろうと思って手を挙げておきました。
これは、次の検査を挟んで合計2回行われました。
高音と低音がランダムに聞こえて、私の聞こえの反応が悪いとちょっと音量があがったような気がしましたが、気のせいかもしれません。
片方のヘッドフォンからは雑音が聞こえ、もう片方からは「◯◯と言って」と聞こえます。
それで、その聞こえた単語を言うのですが、こちらのテストは単語が簡単でした。良かった。
…初回のテストでの英語力の悪さからか、単語のレベルが簡単になったのかと思いましたが、おそらく雑音つきなので単語が簡単なものになったのかと。
これは、問題のある左耳しかしませんでしたが、やや聞き取りにくいものもあるな〜という感覚はあったものの、なんとか全部聞き取れて、聴力は問題ないのかなと自分でも思い始めました。
聴力検査の結果
耳の左右で、多少聞き取り力に差はあるものの、気にするレベルではなく、日常生活で正常に聞き取れる範囲で機能しているとのことでした。
良かった。
ただ、どういうわけか左耳より右耳(の高音)がやや聞こえにくいっていう結果になりました。
どちらにせよ難聴が今の時点で、症状として出てはいないので、全て私が説明した症状を元にした予想にはなるけど、と前置きの上、おそらく突発的な難聴で、内リンパ水腫、再発が起こって症状が重くなってくるようだとメニエールの可能性も…と言われました。
ただ、聴覚学者の先生なので、診断ではなく知識として、いろいろな可能性を説明してくれました。
原因は、はっきりとは分からないことが多いらしくて、腫瘍が内部で圧迫してる可能性もあるし、塩分過多の食事が引き起こすこともあるそうです。
中には、普段食べないような食事をした後に症状が出る人もいるそうです。(サンクスギビングの食事とか)
塩分過多…普段がそもそも2食とおやつ2回程度、そのうち朝はスムージーで昼兼夜のご飯は、バランスはそれなりにいい食事にしているつもりですが、そういえばその週は外食が重なりまくったな…と思い出しました。
しかも、フィッシュバーガー・フレンチフライ・オニオンリングとか、お店で買ってきたパンとか、エビのエンチラーダ(ライスとビーンズ付き)にワカモレ・サルサもちろんチップスも…などなど、たしかに高塩分の食べ物が連続したな、と。
数年前までは、週の半分が外食でも体調には問題がなかったのに、40も半ばになってくると「前までは大丈夫だったのにな〜」という事が増えてきてる気がします。
先生のオススメは、塩分過多に気をつけて食事をすることと、食べたものの記録をつけておくと、運悪く再発した時に将来的に気を付けることとして覚え書きになるからいいよ、とのことでした。
DAY 9:やっとのことで耳鼻咽喉科にかかる
やっと、やっとです。
こんなに時間がかかったのは、ネットワーク外のお医者さんに診てもらいたいと思った私のせいでもあるのですが、今日でオフィシャルに色々安心できると思うと、心の負担も少し軽くなったような?
事前にオンラインで問診票(自分の過去の病気やアレルギーなど、どこの保険か、家族の病歴などなど)を提出しました。
第一印象からA+!
最初はナースに軽く、今日オフィスに来た理由を聞かれてドクターが来るまで待っててね、と部屋に残されました。
耳鼻咽喉科って、子供の頃からアレルギー性鼻炎でしょっちゅう通院させられましたが、あの器具を見てるだけで恐怖心がよみがえってきます。
しばらくすると、ドクターがオフィスに入室して、自己紹介のあと、ドクターはすでに私の症状や訪問理由などを、事前に提出した聴力検査や、その聴覚学士の先生とのやりとりから予習済みのようで、内容が合ってるか軽く口頭で確認されました。
ナースもドクターもなんとなく良い雰囲気があって、いつも行く病院みたいに、なんとかして早く追い出してやろう。みたいな空気もなく、「ちゃんと診察してくれるな」と最初から好印象でした。
この後は、問診・診察へ続きます。
当たり前に症状を細かく聞いてくれて安心する
普通だと思うんですよ、でも、中にはちゃんと聞いてくれない先生もいるので、こればかりは運もあると思いますが、今回のドクターは私の渡米後に診察してもらったドクターの中で、1・2を競う信頼できる先生っていう印象を持ちました。
すでに聴力検査や電話予約時に症状や、症状が発生した日などは伝えてあったので、それを元に詳細を患者である私に直接聞いて、診察していくという方向でした。
この時点で、いつもの病院とは全然違う!
いつもは、何回同じことを言えばいいの?ってくらい会う人会う人に、最初から最後まで説明する感じだったので、勘弁してくれよって思っていたので…。
質問内容は、私の症状に応じて聞かれるという流れで、こんな感じでした。
- 症状が出た時の詳細を説明してください。
- 眩暈が起こった時、自分がどこに立っているか分からないような状態だったか?
- 過去に偏頭痛があったか?
- 過去に耳関連で手術や感染症があったかどうか。
聴覚学士の先生からの診断書も転送されていたので、重複するような質問はあまりなく、私が発生した時の症状を細かく説明するのを記録していくという流れでした。
紙とペンでメモされていましたが、もうギッシリ!紙1枚にギッシリ書かれていました。
やっぱり普通はメモするよね???
患者である私ですら、症状は日に日に忘れていくだろうと思ったくらいなので、お医者さんからしたら、他人である私の症状を1度聞いただけで覚えていられるはずがないと思うんです。
先日の大病院では、ちっとも記録していなかった上に、私の発言とは異なった記録をしていたので、アメリカはどこに行ってもこんな感じなのかと心配になりましたが、そんなことないと判明して良かったです。
診察のようす
最初に診察してもらった病院とは全然違い、耳以外に鼻・口、顔面の神経に異常がないか、それから首のリンパを診てくれました。
耳と鼻は、あの円筒状の器具を入れて中を診てもらうもので、口腔内は、木のヘラで舌を押すだけでなく、口腔内全体を広げて確認していました。
顔面の神経に異常がないかどうか、というのは目の動きや目を強く閉じて開くとか眉間から鼻にかけてシワを作ってみたりとかを指示されました。
目の動きを見る時、先生の指先を追いかけるのですが、見えないところや違和感の有無も確認されました。
首のリンパは、ちょっと前から首筋がちょっと痛かったので触診の後に、そのことを伝えると、再度触診してくれて色々な箇所を確認してくれました。
それから、触診をする前に、「触って確かめるから手を洗うね〜」と言って、手を洗ってくれました。
よく考えると、先日の大病院では、先生、手は洗ってなかったな…。キレイな手だったと信じたいけど、普通にドアノブ触ってたしキーボードをタイプしてたな、今思えば…。
数ヶ月前、ERの後にフォローアップで眼科にかかった時も思ったのですが、視力検査の時に、おでこ部分が誰かの皮脂でギットギトの目を隠すプレート(下記参照)を渡されたり、綿棒とかコットンとかがちょっと散らかってたりと、今ひとつ除菌についてちょっと疑問を感じるところがあって、前からちょっと微妙だと思ってはいたんですが、やっぱり微妙でした。
突発性難聴(Sudden Sensorineural Hearing Loss:SSHL)と診断される
症状が発生してから1週間経ち、この時点で難聴が戻っているので、どの音が聞こえていなかったのかは判断できないとのことでしたが、私の経験した症状から判断すると突発性難聴(very likely experienced a left sudden sensorineural hearing loss)とのこと。
結果的に大病院での外耳炎は誤診でしたが、突発性難聴は、一般にはあまり知られていないのか、ERでも普通に誤診されることは多々あると言われました。明らかに外耳炎ではないのに、その場しのぎで「何かの炎症です」と片付けようとすることが多いそうです。
それで片付けられたのは、私です…コワイ!!
診断内容と今後の計画としては、このように書かれていました。
- ほとんどの症状は改善したが、左耳の耳圧が長引いている。
- 聴力検査の結果は正常範囲内。
- 再発した場合や来週中に耳圧が改善しないようであれば、prednisone(プレドニゾン・ステロイド)を考慮する。
- 感染症、浸出液、耳管の機能不全は見られない(There is no sign of ear infection, effusion, or eustachian tube dysfunction.)
- 突発性難聴の可能性のある病因(etiologies)としての例を説明した。(脳腫瘍、ウイルス感染、血管、聴神経腫(acoustic neuromas)や小脳橋腫瘍(cerebellopontine tumors)などを含む。
- 上記の病因は可能性としては低いけれど、それを確認するために、脳と内耳道(internal auditory canal)のMRIを推奨する。
MRI…ネットワーク外だといったいいくらするのか考えるだけでも恐ろしかったので、一度加入している病院に対応してもらえるかどうか聞いてみます、と伝えました。
いつもの大病院以外に行ったことがないので、他は知りませんが、こういう風に「◯◯をした方がいい」とお金のかかる処置をオススメされたことはなかったので、まずそこにビックリ。
旦那さんも「ドクターが高額な処置を勧めるなんてビックリだね〜。どうにかして高額な処置は避けようとするのが一般的なのに。」と。
旦那さん自身が過去にレントゲンを「必要ない」と断られたり、手術で必須のはずのMRIを保険会社が「これは不必要な処置でした」といって、カバーしなかったり…という話を身近で聞いていたので、たしかにオススメされるのは予想外といえば、予想外。
ただ、それだけ不安要素になりうるものは、今のうちに全て取り除いた方がいい、というドクターの判断なのかな、と思いました。
ネットワーク外の聴力検査・耳鼻咽喉科の費用
今回は諸事情によりネットワーク外を利用して診察してもらいましたので、支払いが100%となります。
聴力検査費用 | $75 |
耳鼻咽喉科 | $300($100デポジット) 当日に残金$200支払い |
自己負担額合計 | $375 |
高い…ですね。
ただ、今のインフレのせいで、食料品を買うにしてもあっという間にこれくらいの金額になるので、普段めったに病院に行かない私にとっては、かなりの出費になりましたが、自分の健康には変えられませんので…。
ネットワーク外の治療費もカバーできる可能性があるみたいで、申請ページを見つけたので、全て落ち着いてきてら、申請しようと思います。
聴力検査費用の$75は、耳鼻咽喉科の受付の方が言うには、このエリアではありえない金額だそうです。ほとんどのところで、$200〜$300が相場だそうです。
聴覚学者のドクターの話では、どこの保険も受け付けないかわりに、この金額で提供してるとのことでした。その理由は、私のようにネットワーク内で満足なサービスを受けられなかった人たちが、迷わずに必要な治療・サービスを受けられるように、とのこと。
今回は、仮に検査費用が$300と言われても、迷わず検査を依頼したと思いますが、$75で助かったのも事実。
それから、今後は何かあったらすぐに連絡できる、さらに私の状況がきちんと聴覚学士・ENTのドクター双方で記録済みというのもあって、色々な意味で安心です。
ネットワーク外の治療費を請求できるページを発見して、特に請求できない内容や状況などの注意書きがなかったので、期待はせずに戻ってきたらラッキーくらいの気持ちで、申請してみました。
結果としては、却下!
ただ、理由もなにも記載がなかったので、カスタマーサービスに理由って分かりますか?と電話してみました。答えは…
「紹介状なしの訪問だったから、却下。」ですって。
てことは、結局、勝手にネットワーク外で診察してもらうことは予算に余裕がない限りしない方が無難。最初に紹介状なしの場合のネットワーク外受診の支払い請求は、受け付けませんって書いてくれればいいのに。勉強にはなったけど。
しかも、この請求申請ですが、申請後もコンファメーションなど全くなく、申請できてたのかどうなのかよく分からず、却下の連絡もなくて、たまたま「Billing」のページを眺めていたら、自分が請求した金額が目に入ったので、クリックしてみたら却下になってたことが分かったという、なんとも患者目線ではないウェブサイトのつくりで、とにかく困らせたいんでしょ!と言いたくなります。
まだまだアメリカで知らないことはたくさんある
普段、ほとんど病院に行くことがないので、病院の質や便利さなどをあまり気にせずに生活していました。まわりの人からは、病院のあれこれについて話をよく聞くし、「うわーひどいなー!」なんて他人事のように感じていました。
過去に関節が痛くて相談した時、あまり真剣に受け取ってくれなかったことはあったので(今も痛いまま数年経過)、それなりにサービスの質については理解していましたが、今回は耳が聞こえる・聞こえないという、けっこう不安になった大きな問題だったので、一連の流れは将来を考えた時、恐怖だなと思わざるをえませんでした。
この話をローカル生まれ育ちの人に話すと、まず驚きません。というより、「だろうね。」みたいな感想をくれます。
さすがに対応の酷さには同情してくれますが、こういう病院の対応には慣れているというか…。生死に関わることであれば、何かしてくれる可能性は高いけど、そうでないと可能性は低いというのが共通認識という残念な感じです。
大病院について、あまりに酷い対応ばかり綴ってきましたが、昔はそうではなかったそうです。旦那さんが子供の頃や若かった頃は、いい病院といえばココ!みたいに扱われていたそう。ここ10年・20年あたりで、だいぶ経営の方針が変わってきたようです。
聴力はだいぶQOLに関わると思うのですが、この対応なのか…とビビりました。
アメリカは予防医学が云々と、日本で散々洗脳されてきましたが、私が思い描いていた“予防”とは、ちょっと認識が異なっていたみたいです。
予防もいいけど、いざというときに安心できるシステムであって欲しいです。