オークランドアリーナ＝SFベイエリアK-popファン非公式の本拠地

少し前のことになりますが、ニュースを見ていたら「オークランドアリーナはSFベイエリアのK-pop非公式ホームだ」というようなことを言っていたので、ちょっと気になりました。

jinco

たしかに、K-popグループよく来るな…という印象は持っていたので。

そのニュース映像は残念ながらありませんが、記事はこちらです→“IVE lights up Oakland Arena stage in US debut tour” by KRON4

IVEのアメリカデビューツアーが、SFベイエリア・オークランドアリーナから始まりましたよ！というニュースの中で、このアリーナが、SFベイエリア・K-popファンの非公式ホームっぽいよね、ということでした。

言われてみればSpotifyで、私が普段聴いている曲やアーティストをベースにオススメしてくれる「近所にライブしに来るアーティスト情報」にそこそこK-popアーティストが流れてくるので、他のジャンルと比較して多いことは多いのだろうと思っていましたが、実際にどれくらいホーム＝本拠地っぽいのか、調べてみました！

オークランドアリーナでライブをしたK-popアーティストの方々

本拠地、と言ってしまうくらいなので相当数のライブが行われたんだろうな…と思いますが、実際に誰が来たのかは、あまり覚えていません。

アメリカでは、K-popはそこそこメジャーなジャンルになりつつあるとしても、誰もが知ってるというわけではないので、数組のK-popアーティストが訪れただけで、「なんかたくさんライブやってる気がする…。」と、たくさんの人が思い込んでいるだけかもしれません。

jinco

ジャンルとしては知っていても、詳細までは知らないことが多いです。

実際には、何組のK-popアーティスト（ソロ含む）がライブを開催した？

参照：KRON4, “IVE lights up Oakland Arena stage in US debut tour”

答え→8組のK-popアーティストがオークランドアリーナでライブ開催！（2024年3月現在）

アメリカでK-popが1つのジャンルとして流行ってきた過去10年間で、8組のK-popアーティストがヘッドライナーとしてライブを開催した、とあります。

jinco

アイドルのライブで前座・オープニングアクトがあるのかどうか分からないので、なんとも言えないのですが…ほぼ単独ライブと同義と考えてもよさそうです。

その8組とは？

参照：Wikipedia, “List of K-pop concerts held outside Asia”

オークランドアリーナの公式サイトでは情報が見つからなかったので、みんなの有志で支えられているWikiで確認してみると、過去10年でオークランドアリーナでライブを開催したのは、この方たちです！

jinco

曲は知らなくても、名前だけは全部聞いたことある。

この中でも、一際目を引くのは、SUGAかなと思います。他はグループですが、彼はソロなので…。1人でもアリーナでライブができる人気ってスゴいです。

しかも、彼のスゴいところはこれだけではなかったです！

TWICEとSUGAがソールドアウトでオークランドアリーナ（＋コロシアム）過去イチの収益！

ほんの数年前まで、バスケットボールのGolden State Warriors（ウォリアーズ）がホームアリーナとしていたのですが、今はチェイスセンターがホームになったので、大きな損失のように見えたようです。でも、たくさんのイベントを開催することで今のところ、景気は明るいそうです。

jinco

アメリカもじわじわ不景気が表面に出始めたので、今後はどうか分かりませんが…

2023年の会計年度（2022年7月1日〜2023年6月30日）で、開業以来、過去1番の剰余金$10M（15億円強*）が出るほどだったそうで、その中でも特に大きなイベントだったとあげられている5組の中に、TWICEとSUGAが入っています。

他の3組は、Bad Bunny（コロシアム）、Kendrick Lamar（アリーナ）、My Chemical Romance（アリーナ）といった感じで、前の2人は旬の人という組み合わせで、最後のマイケミ（懐かしい！）はちょっとビックリな感じです。アクティブだった時代からは随分時間が経ったと思っていたので…。

そんな欧米勢（というか、ほぼアメリカ勢）の中でK-popが2組も売り上げに貢献してるって単純にスゴいです。

特筆すべき5つのイベント以外にもソールドアウトのライブはたくさんあったみたいで、その中には、SeventeenとStray Kidsも入っていました。合計で11個のソールドアウトライブがあった中で、4つもK-popというのは本当にスゴいなと思います。

さらにTWICEは、初回のライブが即ソールドアウトだったので公演が追加されて、さらにそれもソールドアウトっていう感じでとても人気だったみたいです。

jinco

ソールドアウトについて深く知りたい方には、アメリカのチケット事情を説明しているこちらがオススメです→「アメリカでのK-pop人気について考える」

* USD→JPY換算レートは2024年4月21日のものです。

参照：KRON4, “IVE lights up Oakland Arena stage in US debut tour”
参照：KRON4,“Rising K-pop group IVE to headline Oakland Arena in one of six US shows on world tour”
参照：KRON4, “Oakland Arena, Coliseum record best fiscal year ever after sold-out Bad Bunny, K-pop concerts”

BTSもオークランドアリーナでライブを開催（2018年）

参照：Variety, “Elton John, BTS Lead StubHub’s Top U.S. Fall Tours”

個人的には、これがアメリカでK-popを初めてニュース番組で見たと記憶していますが、2018年のBTSです。ローカルニュースで取り上げられるなんて、けっこう衝撃的でした。

この時は、ウォリアーズお引っ越し前で、まだ「オラクルアリーナ」の名前でした。

当時、BTSをほぼ知らなかったので、単純にニュースの視聴者として「えらい人気のあるK-popがいるんだな。」と思いました。

ただ、今振り返ると、この前後あたりから、あちこちで見かけるようになった気もしなくはないです。どこかのバーにあったテレビでCMが映った時に、友達に「これ今めっちゃ流行ってるK-popアイドルだよ！」と言われたグループもおそらくBTSだったハズ…。

下の映像では、後半部分で娘がBTSファンのお父さんが出てきて、「誰だか分からないし、何でここにいるのか分からんけど、娘が行きたいって言うから」ってコメントしてるのが、正直すぎて良かったです。

jinco

このお父さんは、「意味がわからん」みたいな感じで、この年代にとっては一般的なリアクションだと思いました。

この日のライブがBTSの全USツアー（2018年）で1番売れたそうです。また、その年のLabor DayからThanksgivingまで行われる全アーティストのUSツアーチケットのうち、StubHub上で販売していたチケットのショーごとの平均で見ると、BTSが1番高かったそうです。

近々オークランドアリーナに訪れる or 訪れたK-popアイドル

4月はENHYPEN、6月にはITZY、P1Harmonyと続き、7月に入るとATEEZ、そしてIUと続々とライブが開催されます。

たまたまサンフランシスコ近郊に来ていて、ライブでも見に行ってみるか！という方は、こちらで詳細をご確認ください→Oakland Arena Upcoming Events：ご希望のアーティスト欄でBuy Ticketsをクリックすると、Ticketmasterにつながります。

私にとっては、あまり知らないグループも混じっていたりしますが、本当に多いと思います。

これからも、どんなグループがこのホームを訪れるのか楽しみなところです。

オークランドアリーナってどんなとこ？

ニュースの映像や、元々ウォリアーズのホームだったことをふまえても、それなりのキャパだということは想像できると思いますが、改めて、どんなところなのかというと…

1966年開業、過去にたくさんの有名なアーティストもライブをした会場です。

屋外のオークランドコロシアム（正式名称はオークランド−アラメダ・カウンティ・コロシアム）と屋内のオークランドアリーナと隣接しています。

周辺は、はっきり言うと何もないです。

イベント時以外には、おそらく誰も行かないエリアです。治安面でいうと、誰も行かないので、何かあっても人がいないという点では、ちょっとコワイという感じでしょうか。でも、イベント以外では、そもそも行くことがないと思いますので…。

オークランドアリーナ以外のSFベイエリア・ライブ会場

もしかしたら、オークランドアリーナ以外にライブをするいい感じの大きさの会場がないんじゃないの？と、疑問に思いましたので、よく聞くSFベイエリアのライブ会場（屋内のみ）をリストアップしてみると…

代替になるような場所があると言えばあるけど、選択肢は多くなさそうです。

Chase Center（チェイスセンター）とSAP Center（エス・エー・ピー・センター）は、どちらもカルトレインの駅の近くに位置しており、交通の便はいいところにあります。

チェイスセンターでは、どんなライブをやっているのかな？とHPで確認してみると、ジャネット・ジャクソン、Megan Thee Stallion、Weezer、blink-182、ジェニファー・ロペス、オリヴィア・ロドリゴ、エアロスミス、私の好きなコメディアンのセバスチャン・マニスカルコなど、とにかく有名人だらけです。

オークランドアリーナも交通の便はいいところにあって、キャパシティも同じくらいなので、違いはなんだろう？と考えた時、ライブをする方々の名前だけ見て判断すると、チェイスセンターの方がコストがかかるのかな？と思いました。施設が新しいので、利用料が高そうです、勝手なイメージですが。

チケットの売れ行きを確認したところ、けっこうな数でまだまだチケットが余っていたので、チケットの売り上げ収入やソールドアウトになるかどうかなどは、二の次でOKくらい余裕があるアーティストという感じなのかもしれません。

jinco

とは言っても、売れた方が良いことは違いないと思いますが。

Cow Palace（カウパレス）は、昔こそライブに使われることもあったみたいですが、今はそういうこともないようです。ただ、キャパシティがオークランドアリーナと似ていたので、比較対象として表に入れてみました。車でないと行きにくいし、ライブと聞いて名前があがる場所ではありません。

Bill Graham Civic Auditorium（ビルグラム・シヴィックオーディトリアム）より下の会場は、中規模にはなりますが、けっこうK-popの方々のライブに利用されています。私の好きなSUNMIもThe Warfield（ザ・ウォーフィールド）でライブをしてました、見に行きたかった！

J-popのみなさんも、これらの会場のことが多いです。直近ですと、YOASOBIは、The Warfieldでライブをされていました。日本だとアリーナかそれ以上の規模の会場でライブされることが多い方々も、アメリカだとそれよりはちょっと控えめな会場でライブされることが多く、いつもより近い距離で見られるので、ファン的にはラッキー。

jinco

旦那さんは、2004年くらいにPUFFY（アメリカではPuffy AmiYumi）のライブをThe Fillmoreで見たそうです。

K-popはアメリカでアリーナツアーできるくらい人気

国家間の感情論が強くなりがちなJ-pop vs K-popですが、現在は、体感で言うとアメリカではK-popの方が認知度が高いというのは認めるしかないところ。

ただの外国人がアメリカでツアーしている訳ではなくって、アジア人でさらにマイノリティーの部類に入るK-popアーティストがアリーナだけでなくって、スタジアムツアーもできてしまうっていうのは、もう拍手するしかないです。

jinco

例えば、イギリスのバンドがアリーナやスタジアムツアーするのは、アジア人ほど壁は高くないハズ。

チケット販売については、モヤるところが全くない訳ではないですが、それでも現地の人が多数ライブ参戦しているのを見ると、人気が全くの作り物だとも思えません。チケットのbotsはK-popだけではないので、botsを使うくらいリセールの需要があるという見方もできます。モラル的には、全く良くないことですが。

それに、オークランドアリーナの売り上げに貢献してくれたアーティストとして名前を挙げられるのは、純粋にスゴいです。それくらい活躍が目立ったという証拠でもあるので、非公式ホームというのも納得です。

これからもたくさんのK-popアーティストにライブをしてもらって、ぜひSFベイエリア全体の経済を潤して欲しいと思います。