【追加情報あり】歯列矯正:アメリカでの矯正治療費平均と実際にカリフォルニアでインビザライン治療に支払った金額

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日本では、「海外の歯列矯正は安い!」とよく聞きますが、実際どうでしょう?

私が最初に矯正した20年くらい前は、日本で歯列矯正というと、とにかく「高い!」というイメージが強くて、どうしても歯並びを治したい人だけがするという雰囲気がありました。

医院ごとに価格差はあると思いますが、アメリカの歯列矯正治療費と私が実際にアメリカ(カリフォルニア)で支払った金額、一般的に言われている相場を紹介します。

日本の矯正治療費用は予想するのが難しい!

高額治療のイメージが強い歯列矯正ですが、歯並びの治療が一般的になってきたのもあってか、治療済みの方の経験談などから、必ずしも高額とは限らない、ということも広まってきたように思います。

相場の治療費を調べようとすると、ざっくり大きく「10万〜300万程度」とか「60万円〜」みたいに書かれていることが多く、「高い!」ということは分かります。

でも、具体的には分からず、治療を開始する壁が高すぎるように思います。

驚きですが、アメリカでは矯正治療費は事前には分かりません!

そうなんです。

日本では、実際のところ差額が出てくるので、万能ではないですが、ウェブサイトで治療費を表示してある矯正歯科も多いです。

アメリカでは、それは一般的ではありません。

ただ、アメリカでは多くの人が歯列矯正をするので、経験談、周りの人の話や親自身の話から、ある程度の予想ができます。

また、フィリングや虫歯治療等をしてくれる一般の歯科医でも、保険カバーができる範囲外の特別な治療は、歯科医に聞くまでいくらかかるのか分かりません。

なので、“聞くまで分からない”が普通の感覚です。

どうしてアメリカでは歯列矯正治療費が表示されていないのか?考察してみました。

なぜ治療費を表示しないのか、個人的に考えられる理由は…

  1. 表示する意味がない。
  2. 元々の歯並びの問題や開始年齢等によって治療期間・方法等が違うので、一律価格にはならない。
  3. 歯科保険が何種類もあり、金額を表示すると混乱を招きかねない。
  4. 紹介割引や通常のディスカウントがあり、おそらく割引率も人それぞれに違う。

1番目の理由の「表示する意味がない」が全てだと思います!

2〜4番目の理由にも関わってくるところですが、おおよその金額は決まっていると思いますが、患者さんによって上下するのだと思います。

歯並びにも個人差がありますので、少しの手入れで済む人もいれば、大掛かりな手入れが必要な人もいます。

「治療費」と聞くと、どうしても治療を受ける患者側の視点になってしまうので、患者側から見て「安い・高い」を考えてしまいますが、治療する側に立てば、ここには人件費や外注費等も発生するわけなので、期間が長かったり、治療の難度が上がれば、それにともなって治療費も上がる方が自然かな、と思います。

それから、アメリカでは保険は各個人で加入するものなので保険の種類が多く、カバーされる範囲、そもそも自分の保険が利用できるのか…そういう細かいところが色々違うので、一括りに金額を提示したくない経営者側の理由もあるんじゃないかなと推測します。

同じ保険会社でもプランによってカバー内容や実費が変わるので、金額を掲示することによるトラブルや混乱が心配という場合もありそうです。

最後に、ディスカウント

日本だと値切る行為がちょっと恥ずかしいので、大胆に交渉する人は少ないですが、アメリカだと、「とりあえず聞いてみようよ!安くなったらラッキー!!」くらい気軽にする人が日本に比べると多い印象です。

割引率についても明記されていることは少なくて、提携している歯科医から紹介で来た場合、すでに通院している人の紹介で来た場合、家族の誰かが患者である場合、私のように全くの新規で来た場合…条件によって変わってくるのだと思います。

なぜかと言うと、治療費を提示された紙に割引率が入る箇所があったのと、カウンセリングを受ける時に知り合いが通ってるか?等の質問をされたので、もしかしたらこのあたりで少し差が出るのかな?と思いました。

結局、治療費の表示がない理由は、みんな同じ金額になるわけがないんだから、表示する必要ないよね?っていうことなのでは、と思います。

日本では(医院によっては)事前になんとなく知ることができる治療費

日本だと、一律価格でインビザラインは◯◯円、リンガルは◯◯円、セラミックブラケット◯◯円…という風に治療方法で金額が決まっている矯正歯科も少ないですが、あります。

便利で安心だし、明朗会計で患者さんに優しそうに見えます。でも、私はそれはちょっと不思議だな…とも思います。

大掛かりな歯の移動が必要な人と、全体的に少しの移動だけという人が同じ金額になるのは、どういうことなんだろう?と少し疑問です。

あと、たまに見かける「治療費◯◯万円〜」の「〜」の部分が曲者だなぁとも思います。

どういう症状だとこの最低価格になるのか、人集め的に比較的安い治療費を表示しているだけなのか…治療を受ける側にとっては、実際どれくらいかかるのかっていうのが1番知りたいところです。

「◯◯万円〜」という表示よりは、「当院の平均治療費は◯◯万円です。」と表示してあれば、支払いプランや予算の見積もり、貯金計画等が立てやすいですよね。

治療費は事前に少しでも調査することをオススメします!

調査は重要です!

相場が分かると、カウンセリングに行った時にどうして安いのか、高いのか、相場よりはるかに安かったり高かったりした時に、なぜそうなるのか?を、客観的に考えられて矯正歯科医を決めるポイントにもなるからです。

私が日本で治療した時、3件カウンセリングに行きましたが、当時は治療費の公開は主流ではなく、カウンセリングを受けるまでは治療費のはっきりした金額は不明でした。

カウンセリング後に、それぞれ75万くらいから130、140万くらいまで幅広い治療費が提示されましたが、事前の調査でおおよそ100万前後、非抜歯治療の場合は相場より高め、と予想はしていたので、そこまでビックリすることはありませんでした。

日本で治療費を調べられる場合は、直接気になる医院に聞いてみるとか、普段通っている歯科医に聞いてみるとか、通院したいエリアや通院に便利そうなエリアに絞って、色々なウェブサイトを比較して治療費を調査するのがオススメです。

どんな要素が歯列矯正治療費の高・低に影響するのでしょう?

どういう要素が治療費全体に影響してくるか考えたことありますか?

私が最初に治療を受けた時は、治療費の裏側なんて考えませんでした。

ちょっと成長した今では、なんとなく、期間が長い場合や治療が複雑だったら高くなりそうと予想できます。ただ、まわりに実際に歯列矯正を経験した人が少ないと、比較するのも難しいと思います。

そこで、日本とは少し違うところもありますが、アメリカでは、どのような要素が治療費に影響するのか調べてみたので、まとめてみました。

参考資料:Healthline, “How Much Do Braces Cost?
Ordahl Orthodontics, “Why do Orthodontists Charge Different Fees for Braces?

  1. 元々の歯並びが極端に悪い。例)重度のオーバーバイトやアンダーバイト、歯の重なりが多い、など
  2. 治療開始時の年齢
  3. ブレースかクリアのマウスピース型か
  4. 医院のロケーション(いわゆる土地代、物価の差)
  5. 矯正歯科医の経験値(経験の長短・難しい治療の経験が豊富・その道のプロかどうか、など)
  6. (個人の)歯科保険内容

この中で、6番目は日本だとほとんど関係ありませんが、1〜5番目は歯科医院巡りをする時に参考になると思います!

マウスピースで99%完璧だけど、最後の1%を埋めるのにブレースの方がいい、なんていうケースもたまにあるそうです。

決して安くはない治療なので、治療内容が複雑になればなるほど、色々な治療オプションを考えてくれるような5番目の先生の経験値は重要かなと思います。

インビザラインの方がブレースよりも治療費が高くなることが多い(アメリカ)

治療費の高低を簡単に表すと、こんな感じになります。

メタルブレース < インビザライン ≒ セラミックブレース << リンガル矯正

アメリカでは、一般的にマウスピース型(ほとんどの場合はインビザライン)の方がメタルのブレースよりも高額になるそうです。

というのも、ブレースは矯正歯科医が直接調整しますが、マウスピース型は外注になるため、金額の変更が難しいコストだからとのことです。

リンガル矯正は、日本でも高額な治療です。高額になる理由はアメリカと同じだと思いますが、裏側に装着するため時間・技術が通常の治療よりかかるから。

高額治療になりますが、リンガル矯正は正面から見えないため、矯正しているのをあまり強調したくないけど、インビザラインのように治療に休憩時間(着用していない時間)を持ちたくない人にはいいかも。

リンガル矯正

矯正装置は目立ちませんが、発音に違和感が出る場合もあります。

マウスピースやリテーナーでも、同じように最初の頃は違和感があったりします。

私の場合は、インビザラインで日本語の発音は問題ありませんでしたが、英語の発音はインビザラインに慣れずに最後まで微妙だったものもあります。

個人差がでるものだと思いますが、ずっと続くわけではないので治療中だけ、と割り切れば大丈夫!

アメリカで歯列矯正をすると、費用はどれくらいになる?

様々なブログでまとめてあるので、英語サイトになってしまいますが、検索すればすぐ出てきます。

例えば、googleで”how much does it cost to get Invisalign (もしくはbraces)”などと入力すると、たくさんのブログなどでおおまかな治療費を紹介してくれます。

だいたい、ADA(American Dental Association)のデータを紹介していたので、私もそのデータを参考にしました。

部分矯正:約$3,000前後、全体的な矯正:約$6,200前後

参考資料:ADA, “2020 Survey of Dental Fees

歯列矯正歯科医の調査結果は、おおよそ$3,000〜$6,200参考資料117ページ)。

$3,000程度の治療費は、”limited”の矯正です。部分矯正だったり、複数ある治したい箇所の中で、1番治したいところだけ治療する、といった矯正にかかる治療費だそうです。

機能面や審美的な面、歯並びを全体的に治したい場合は大体$6,200前後はかかるという結果でした。

ただ、治療器具の詳細については記載が見つけられませんでしたので、それによってもかなり上下するだろうと予想されます。

インビザラインにかかる費用 in アメリカ

参考資料:The Teeth Blog, “Invisalign Cost: What’s the Average Cost of Invisalign?

アメリカ地図で気になる州をクリックすると、その州の平均治療費と平均治療期間を表示してくれるブログがあります。

実際にクリックしてみた様子は下の画像をご参照ください。

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カリフォルニア州をクリックした時に表示される見本(US時間 2022.7.6現在)

これによると、カリフォルニア州のインビザライン平均治療費は$3,500〜$8,500で、治療期間の平均は12ヶ月〜18ヶ月となっています。

平均治療費が1番高額なところは、アラスカ州で$4,500〜$10,000、その次がニューヨーク州で$2,400〜$9,000。

3番目以降は、治療費の上が大体$7,000〜$8,500のあたりとなっていました。

比較的、治療費が高額でない州だと上が$5,000程度と表示されましたので、人件費や賃料、どれだけ競争相手がいるかなど色々な要素が深く関係していそうです。

インビザライン治療費 in カリフォルニア

治療費が完全に不明だと、ちょっと怖かったので、私はカウンセリング前に1つ前の項で紹介したブログ以外にも色々検索をして、治療費や期間の予想をしました。

ADAの治療費調査の結果やブログなどを参考に、「居住エリアの物価も考慮して、高くて$9,000、できれば$8,000以内だったらOK」という目安を作ってから、カウンセリングを受けに行きました。

実際に支払ったインビザライン治療費(カリフォルニアの場合)

事前に矯正歯科を絞って、1つ目が微妙だったら次の矯正歯科を訪問しようとスタートした無料カウンセリングだったのですが、最初に行ったところがとても感じがよくて、先生も信頼できたので即決しました。

カウンセリングへ行く前にめちゃくちゃネットで調査しました。日本で最初に治療したときには、できなかったことです!ネットの発展とともに歯科医院でHPを作ることが普通になってきた恩恵ですね。

カウンセリングで提示された治療費は、$7,287(ブレース、インビザラインともに同額)。詳細は下の表を参考にしてください。

金額(USD)割引適用後の金額(USD)日本円換算
(2022.7.7時点 $1=136.02円)
*端数切捨て
治療費$7,287$7,287991,177円
保険適用分$2,500$2,500340,050円
割引5%もしくは$24032,644円
治療費合計$4,787$4,547651,127円 or 618,482円
日本円換算は参考程度にどうぞ。

最初に一括で支払えば5%引きという案内だったのですが、実際に割引額を数字で見ると、合計の支払額が大きいせいであまりお得感を感じられませんが、一括で支払える勇気があれば一括で支払ったと思います。

一括払いの勇気はなく、分割払いを選択したので、ダウンペイメント(頭金的な)を$1,500支払い、残りは毎月$183を18ヶ月支払いました。

もしかしたら、何かおかしいと気がつかれたかもしれません。

$183を18ヶ月支払うと、最終的な合計が$4,794となり、$7多く支払ってしまうことになります。

日本だったら、きっときっちり最後の月は調整して、支払合計が超えてしまわないようにすると思うのですが、このあたりは若干適当というかなんというか…。

差額が$20、$30くらいになっていたら、軽食代くらいにはなるので、「調整してくれませんか?」と言ったと思いますが、$10以下だったのと無利息の分割払いをしていたので、事務処理費と思ってそのまま支払いました。

私は面倒臭かったので、問い合わせもしないで支払いましたが、それが嫌だっていう方は問い合わせしたら、きっとなんらかの対応(か説明)をしてくれると思います。

【2023年追加情報】 保険が全額使えるとは限らない!

jinco
jinco

支払いも終了して、ホッとしていたところ、最後の検診直前に思わぬ通知を受け取り、支払額に変更が生じることに!

最後の検診(2023年3月末)直前に、突然届いた「支払いの残があります」通知。ビックリ。

定期検診から半年も経って届いた、この通知には恐怖を感じました。ただ、支払いが$200だったので諦めもつきました。

そのうち先方に払い過ぎている分$7があるので、最終的に追加で支払う必要があった金額は$193でした。

最後の検診時に、会計の人にどうしてこんなことになったのか聞くと、「クリニックは、保険が満額使えることを前提に支払額を計算しているので、最終的に誤差がでることがある」とのことでした。

そういうわけで、最終的な支払い総額は、$4,787+$193=$4,980となりました。

アメリカでの支払総額 注意すること

追加の支払いがそこまで大きな金額ではなかったので良かったですが、$1,000を突然請求されたら、どーして!?と焦りまくったと思います。

「突然、$1,000追加請求なんてあるんですか?」と聞くと、「そういう場合は、それが分かった時点で早急に患者に連絡するわよ〜!だいたいは保険会社との契約内容になにか問題があることが多い。」と言っていましたので、通常、突然大きな金額を後で請求されることはないそうです。

保険契約期間が短かったり、なにか保険会社的に納得いかない点があると、こんなことになるそうです。高額治療の前には、関係するところ全部に確認必須です。

結局のところ、保険がなくても支払いできる金額でなければ、治療の開始を遅らせた方が安全です。念には念を…。

日本だと歯列矯正にかかる費用はどれくらい?

参考資料:インビザライン・ジャパン「マウスピース矯正価格は妥当なの?

インビザライン・ジャパンによると、1番多い層が50万円以下で43%でした。

個人的には、もっとかかっているんじゃないかなぁ?というのが感想ですが、50万円以内であれば矯正する方が多い、という風に考えることもできるかな?と思いました。

全体の57%が50万円以上、100万円以上かかった方は23%だったということは、矯正をしようと思うと、100万円程度の支払いは心の準備をしておいた方が良さそうです。

$7,287のインビザライン治療費は高いのか、安いのか

事前に調査していたので、相場通りといえば、その通りでした。ただ、日本とは治療費に含まれる内容が違ったので、お得感は大きかったです。

どういったものが含まれていたかというと…

治療費に含まれていたもの
  • 診断
  • 口腔内写真(無料カウンセリング時)
  • X線(無料カウンセリング時)
  • 歯列のスキャン(治療期間中、複数回)
  • 治療予定期間内の全ての処置・通院にかかる費用
  • 治療終了後のケア(リテーナー1セット、治療後12ヶ月以内の経過観察のための通院・微調整)

日本の場合、治療費とは別に通院費が発生することが多いと思いますので、通院費が含まれていたのは患者側の手間も省けていいシステムだなと思いました。

「$6500くらいだったら、ラッキーだな〜」とは思っていましたが、医院のエリアが物価の高い地域にあることや、先生の経験、スタッフの人数、設備などから考えると妥当かなという金額に落ち着きました。

歯列矯正をしようと思ったら…

タイミングや口腔内の様子など色々ありますが、まずは、支払いのための心の準備をしておくことが重要です。

100万円という単位は、趣味や旅行、洋服や化粧品など、1年を通してみると、意外にあっという間に使ってしまう金額だと思います。

歯列矯正が高いということで敬遠される理由の1つが、「今の歯が使えていない訳じゃない」っていう気持ちだと思います。

治療が始まれば、今まで以上に丁寧なブラッシングや歯の手入れが必要になります。手間と時間、そしてお金もたくさん必要になるので、矯正に対してやや後ろ向きな考えがある時はオススメしません。

治療結果が見えるまでには時間もかかります。その結果が大満足になるかどうか未知な部分もあります。

ただ、治療を開始したら途中でやめると元通りなので、そうなってしまうと、お金の無駄遣いになりかねません。

歯列矯正をするかどうか悩んだら、自分が納得いくまで悩んでカウンセリングに行って、支払いにも問題ないと分かるまで時間をかけていいと思います。

治療を開始したら、先生の言うことをしっかり聞いて、スムーズに歯が移動することを祈って、治療が終わったらリテーナーをしっかり着用してください。

リテーナーを着用しないと私のように2回目の矯正になってしまう可能性が…。

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