体験に基づく歯列矯正比較!インビザラインとブレース(ワイヤー矯正)【期間・内容・トラブル・費用】

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コロナのため自粛生活が続いていたある日、歯磨き中に自分の歯をじっくり見ると、下の前歯が削れているのを発見!

それから始まったアメリカでのインビザライン矯正は2022年3月にリテーナー着用へ進み、今はそれも夜間のみの着用になりました。

ちゃんと終了した歯列矯正は、人生で2度目。

子供の頃、ほんの数ヶ月マウスピースをしていましたが、まわりに矯正をしている子がおらず、目立ちたくなかった私は続けられませんでした。

大人になって、歯列矯正をするとアトピーや偏頭痛、肩こりも改善されて不定愁訴に悩まなくなる、さらに海外では歯列矯正が必須!と聞いたことから日本でブレース治療をしました(これが1回目)。

残念ながら、リテーナーをしっかり使わなかったため、後戻りし、それを元通りにするための今回インビザラインをすることになったわけですが…。

その治療が終わったので、ブレースもインビザラインも両方経験した私から思い出せる範囲で期間、内容やトラブルなどを比較したいと思います!

治療期間・内容の比較:ブレースとインビザライン

今回のインビザラインは、後戻りを治すことがメインだったので、八重歯を綺麗に並ばせるとか歯列を大きく変化させるとかいった時間のかかる処置はなかったので、治療期間は短めでした。

まとめると、表のような感じになります。

インビザライン(カリフォルニアで治療)ブレース(日本で治療)
治療期間約15ヶ月(1年3ヶ月)約33ヶ月(2年9ヶ月)
通院頻度2ヶ月に1回毎月1回+緊急で複数回
治療内容後戻りした下の歯をメインに全体的に調整八重歯・上下ともに全体的にガタガタなのを矯正
スキャンの頻度・回数合計4回
アライナー作成分3回
リテーナー作成分1回
スキャンなし
レントゲンなど検査はたくさん

2回目の治療期間は短めでしたが、ネットで他の方の経験談を読んだり見たりしてカウンセリング前に予想していた期間よりは、ちょっと長めになったなという印象です。

治療期間・内容の比較

インビザライン(カリフォルニアで治療)ブレース(日本で治療)
治療期間約15ヶ月(1年3ヶ月)約33ヶ月(2年9ヶ月)
治療内容後戻りした下の歯をメインに全体的に調整八重歯・上下ともに全体的にガタガタなのを矯正

日本で行ったブレース矯正は約33ヶ月(2年9ヶ月)かかったので、今回のインビザラインは半分の期間で終了してスゴい!と思われるかもしれませんが、治療内容がかなり違うので、単純には比較できません。

治療期間は、治療内容と矯正歯科医のプランニング、自分の歯がどれだけ素直にプラン通りに動くか…色々と期間の長短に影響してきます。

私の場合、ブレースの時は、親知らず以外の抜歯はなしで八重歯を治し、下の歯のガタガタも治すために、歯列を広げたり歯間の隙間を作ったり、ゴム掛けしたり色々大変でした。

最初に親知らず(3本)を抜いて、奥歯の歯と歯の間に青いゴムをいれて隙間をあけて…と、最初の数ヶ月はブレースもつけずに、そういう下準備期間でした。

親知らずは、ものすごく小さかったのと、歯茎の下に隠れていたけど、真っ直ぐに生えていたので、入院してどうのこうのという案も出ず、通院して抜歯しました。

そのため、左側と右側とで2回に分けて抜歯したので、その分ちょっと長めに下準備にとられました。

しかも、どちらか忘れましたが、下の奥歯が骨にくっついていたらしく、若干抜歯にてこずりました。抜歯後、数週間ずっとおたふく風邪みたいに腫れてました。

今回のインビザラインは、後戻りしてしまったものを治すという感じだったので、下準備の必要がなく、前回ほど大がかりでなかったのもあり、前回と比べると短期間で終了しました。

インビザラインで治療期間が長くなるケース

先生との会話の中から、以下のようなケースに該当する場合は、少し長めになると考えるとよさそうです。

  • 治療前に親知らずの抜歯を勧められた。
    私が抜歯した時は、歯茎が元の状態に近くなるまで安静に待つ時間が必要でした。
  • 指導通りにアライナーを着用していない。
    着用時間が短いと、もれなく治療延長になるそうです。
  • アライナー着用時にチューイーをしっかり使っていない。
    アタッチメントにしっかりはめることで歯が動く。
  • 審美的な理由から、アタッチメントを減らして治療。
    効果的な治療を変更するので、仕方がないことみたいです。

通院頻度の比較

インビザライン(カリフォルニアで治療)ブレース(日本で治療)
通院頻度2ヶ月に1回毎月1回+緊急で複数回

ブレースの場合は、どうしても毎月1回ワイヤー調整に行く必要があったので、その点は面倒と言えば面倒でした。予約がスムーズにいかない時も何回かあったり…。

また、ワイヤー調整後に奥歯のワイヤーがはみ出ることがたまにあるので、ワックスでごまかせる範囲であれば次の診察日まで待てますが、そうでない場合は、緊急で予約を入れてワイヤーをカットしてもらいに通院したりと、インビザラインに比べると通院の頻度は多かったです。

インビザラインは基本的には2ヶ月に1回通院して様子を見るっていう感じでした。

途中、アライナーが歯に合ってないトレイもありましたが、先生にメールで問い合わせするだけで解決するのも良かった点です。

というのも、アライナーがずれてきても、ぴったり合わせるためには新しいものをオーダーするしかないので、多少のズレであれば、様子を見るしかないっていうことだと思います。

通院の回数を抑えたい方はインビザラインがいいかもしれません。

スキャンの頻度・回数の比較

インビザライン(カリフォルニアで治療)ブレース(日本で治療)
スキャンの頻度・回数合計4回
アライナー作成分3回
リテーナー作成分1回
スキャンなし
レントゲンなど検査は有り

日本でブレース治療した時は、スキャンの装置そのものがなかったので、スキャンのお話は、今回のインビザライン治療に関してのみになります。

私の場合は、予想より細かく頻繁にスキャンしてもらったなという印象です。

治療開始後半年で2回目のスキャン、その次は4、5ヶ月後に3回目のスキャンと、都度、微調整しながらゴールへ向かっていく感じでした。

途中でアライナーがアタッチメントにきちんとハマらなかったり、奥歯の方が浮いていたりと、何度か先生に「このまま使い続けていいのか?」と連絡した事があったくらいなので、治療中に思ったのは、コンピューターや先生の描く治療プラン通りに歯が全て動くとは限らないということ。

結果的に、予想以上に頻繁にスキャンして、現状の歯並びにぴったり合ったアライナーを作成してもらえたのは、本当に良かったと思います。

私の場合、1セット目の途中でけっこう目立つ空間ができ始めたこともあり、1セット目が合計26枚のアライナーで良かったなと思います。

なぜか合わなくなってきた後(1セット目・week9)、何枚か過ぎた後に合うようになってきたミラクル(1セット目・week17)も起こりましたが…。

このスキャンの回数やタイミングは、もしかしたら先生の経験や治療計画・方針によるという感じかもしれません。私が通院したところは、ブレースにもインビザラインにも対応できて、他の矯正歯科医にも指導をしている凄腕の先生だったというのもプラスでした。

ブレースの時は、レントゲンとピンクのシリコンみたいなもので歯の型を取る強烈に苦痛なものでした。呼吸やら唾液やら、色々パニックになってました。

治療開始後、途中でレントゲンを再度撮影した記憶はあるような、ないような…(15年以上も前なので…)。

トラブルの比較

次は、ブレースとインビザラインでトラブルの内容を比較します。

インビザライン(カリフォルニアで治療)ブレース(日本で治療)
トラブル1. アライナーが歯並びに合わなくなる時がたまにあった。
2. 不良品が混ざっていた。
1. ワイヤーがはみ出て痛かった。
2. 歯茎が下がった。

歯列矯正トラブル1:歯茎が下がる

矯正によって歯茎に問題が起こる、もしくは元々あった問題が悪くなるというのはよくあるようで、アメリカで矯正を始める前にサインした契約書(15ページもありました!)の中の「インフォームド・コンセント」に書いてありました。

ただ、そこには「大抵の場合は、オーラルハイジーンが手抜きになってる」から起こるので、歯科医か歯茎の専門医の観察を怠らないこと、と書いてありました。

私の場合、ブレース治療直後に歯茎の変化に気がつかず、日本で通院していた矯正歯科・ふだん通っていた歯科でも指摘されなかったので、こんなトラブルがあるなんて!と思ったことです。

歯茎が下がっていたことは、実は渡米後に行った歯科で指摘されました(今は治療済み)。

今回、インビザライン治療開始前に、日本での治療前後の写真をよく見てみたら、治療直後の写真ですでに歯茎が下がっていたことが発覚しました。気がついていなかっただけで、おそらく治療中に兆候があったと思います。

当時、自分がよく注意して見ていなかったのも悪かったのですが、せめて指摘してくれていたら早めに対処できたのに…と思います。

インビザラインでもブレースでも歯茎が下がるというのは歯列矯正で注意することの1つなのですが、日本で治療した時は、治療前に言われた記憶はなく、若かったゆえに聞いていなかったのか、本当に言われなかったのかは、今となっては分かりません。

ただ、私の場合は、ブレース治療後に歯茎が下がったという事実は写真を見ても明らかなくらいハッキリと残ったので、今後、歯列矯正(特にブレース)を考えている方は日々、歯茎のチェックをしっかりしていくことを強くオススメします。

この過去の経験から、今回のインビザライン治療中は歯科検診も頻繁(3ヶ月毎)に行き、自分でも毎日チェックし、サプリメント的なものも使用しました。

アライナーは歯の形ぴったりに作られているので、もし、アライナーから歯の表面が出てきていたら、歯茎が下がってきているかもしれないと思い、毎日必ずアライナーの着用具合も確認しました。

結果としては、毎日の努力とチェックのおかげでインビザライン治療後に歯茎の大きな変化は見られませんでした!

歯茎は心配していたことの1つだったので、本当に良かったです!

歯列矯正トラブル2:ワイヤーが突き刺さる(ブレースの場合)

ブレースのワイヤートラブルは、歯科医へ行けばカットしてもらえるので問題ないのですが、毎月の通院に加えて数日前に行ったばかりの歯医者に再度行かなければならないのは、かなり苦痛でした。

すぐに予約が取れれば、まだマシでした。

働いているとスケジュール的にすぐに行けたり、行けなかったりしたので、行けない場合はワックスでの応急処置期間が長引いて、けっこう辛かったです。

歯列矯正トラブル3:アライナーが合わない・不良品(インビザラインの場合)

歯の動きが予想通りでなく、インビザラインのアライナーが合わなくなるトラブルは、すぐにはどうしようもないので待つしかなく、もどかしいところでした。

幸い、スキャンをし直さないといけないレベルの動きの悪さではなかったので、私は受領済みのアライナーを使い続けましたが、歯のトラッキングがうまくいかないと、アライナーを作り直すことになるらしいので、待ち時間も増え、ストレスになっていたかもしれません。

不良品は、明らかに形が変形している不良品は混ざっていなかったのですが、奥歯の傾斜が合っていなかったものは何個かありました。

先生に相談するとそのまま着用を続けるか、違和感がありすぎて辛い場合は、「次の週のを着用すればいいよ」と言われ、通院する必要がなかったので、良かったです。

ただ、アライナーの順番を1週飛ばすため、動かす範囲が大きくなり、痛みはいつもより強くなるみたいで、初めて順番を飛ばした時は、ビックリしました。

それ以降も何個か同じパターンで合わないアライナーが混ざっていたので、よくある事なのかもしれません。

リテーナーとして10個分受領したアライナーの中にも、最初に開封・着用したものは奥歯の傾斜がずれていて、使い物にならなかったです。

治療費の比較:ブレースとインビザライン

おまけで、日本とアメリカ(カリフォルニア州)と治療費の比較…比較というか、実際いくらかかったのかをまとめました。

インビザライン(カリフォルニアで治療)ブレース(日本で治療)
治療費合計$7,287
(うち、保険カバー$2,500のため実費$4,787)
約150万円
(医療費控除対象)
治療費に含まれるもの1. 初回カウンセリング
2. レントゲン(パノラマ含む:他院と共有可能)
3. 口腔内の写真
4. スキャン
5. 治療予定期間内(18ヶ月)の通院費、治療にかかる費用
6. リテーナー
7. 治療後12ヶ月以内のフォローアップ検診
※1〜3は後述も参照してください。
1. 無料の説明会
2. 治療前の検査費用:10万円
3. 調整費:5,000円(多分)
4. リテーナー
治療費に含まれないもの1. アライナーを紛失した場合の再作成費用
2. 治療中に矯正歯科医以外から治療内容の変更指示があった場合の治療費
3. 治療開始後30ヶ月以降の通院・治療費
日本の治療費は、詳細を覚えておらずざっくりです。

日本で治療した時は、割と費用が高めの矯正歯科に行ったため、総額で約150万円でした。

初回の検査費用が、他院で5万円だったので最初の時点で2倍、治療総額も他院の1.5〜2倍くらいかかりました。ただ、他院では行われなかったような検査が色々ありました。

日本とアメリカ、大きく違う“無料カウンセリング”

日本では、矯正を開始する前の検査の段階で、1回の検査につき数万円の支払いが発生するのがネックだなと思います。

その点、カリフォルニアで矯正歯科医を探していた時に思ったことは、比較的、無料カウンセリング時にレントゲンや口腔内写真の撮影が含まれていることが多かったことです。

私の場合は、レントゲンは共有できるそうで、撮影し直す必要もなく、このメリットが大きいのかもしれません。

“無料カウンセリング”に含まれるものって何?

日本、アメリカともに医院によって内容は異なります。

私の場合、上記の表のカリフォルニアでの治療欄の「治療費に含まれるもの」の1〜3までは、実際に治療を受けても受けなくても無料扱いの医院でした。

新型コロナの影響もあってか、バーチャルの無料カウンセリングをしているところも多いです。

その場合は、自分で口腔内の写真を撮って先生に送り、診断してもらうようです。

日本では無料カウンセリングというと、実際のレントゲンや画像はなしで見た目だけで軽く話す形式がほとんどでした。

どこまで無料でどこからが有料なのかは、個人によって異なりますので、必ず確認してください。

カリフォルニアでの治療では、治療費に含まれるものにレントゲンや写真を入れましたが、実際にはカウンセリング後、治療を受けないと決めても無料扱いのままになるので、日本よりカウンセリングを受けに行くハードルが低いなと思いました。

日本だと、無料カウンセリングを受けても、最終的には「詳しいことは検査しないと分からない」と言われ、実費の検査をしないことには何も分からないという感じでした。

いろんな医院を比較したくても、それぞれ実費の検査が必要になってくると、相当の覚悟が必要です。

こういう点が、日本での歯列矯正が進まない原因の1つでもあるんじゃないかな?と思います。

インビザライン治療の実際に支払った金額は?日本より安い?

カリフォルニアで支払った金額は、保険分を引いて$4,787(元々は$7,287で$2,500が保険カバー分)

私が通院していた矯正歯科は、最初の提示額以外に基本的には支払いは発生しないタイプでした。

なので、額面だけ見ると、カリフォルニアの方が安く感じます。

ただ、為替が2022年6月28日の時点で1ドル135円くらいなので、$4,787は646,245円くらいになるので、あまり安くはないですね。

保険カバー前の金額を支払ったとすると、983,745円となって、もしかしたらカリフォルニアの方が高いかもしれません。

それから、歯科保険はそうでもないですが、医療保険が高いので、医療費という大きな枠で見ると、日米で大きく差が出るということもないような気がします。

もしかしたら、医療保険支払いの分、アメリカで治療する方が全体的な「医療・治療費の支払い」と考えると、高い可能性もあるかも…。

結論としては、インビザライン治療費はカリフォルニアも日本も同じくらいになりそうです。

アメリカの歯科治療費

アメリカ国内の歯科治療費は住んでいる場所で大きく異なります。また、本人負担分は加入保険により変わってきます。

私の体験談は、カリフォルニア&物価の高いエリアの話になりますので、州外に出れば、はるかに安く治療できるエリアもあると思います。

おすすめはインビザライン?ブレース?

ブレースとインビザライン、どちらも経験したことから言えることは、それぞれ良い点と悪い点があるので、片方が良くて片方が悪いということはない、ということ。

それでも、アドバイスできることは次の3点です。

  1. 治療前に、自分がどのような治療方法・ゴールを求めているのかクリアにしておく。
  2. 気になる矯正歯科をいくつか訪ねてみる。
  3. 歯科検診をしっかりして、自分の歯根・歯茎などの様子を事前に詳しく聞いておく。

治療方針・期間等は口腔内の健康状態に左右されることもありますので、歯科検診は重要です。

私は、最初はブレースで、2回目の後戻り治療ではインビザラインを選択しましたが、カウンセリングの時はブレースも選択肢として与えられました。

ただ、歯茎が下がった経験があったのと、歯根の先端が丸く短めで心配だったので今回はインビザラインを選択しました。

ブレースが合うのか、インビザラインが合うのか、この点は個々人の口腔内の健康状態や歯並びの状況など考慮することがあるので、簡単に一方をおすすめすることはできません

私の場合は、ブレース、インビザラインのどちらも歯並びを綺麗にしてくれたので、片方が良くて片方がダメだったということはなかった、これだけは経験から言えます(トラブルはありましたが)。

これから矯正される方は、しっかりとそれぞれのメリット・デメリット、難しい点や予想されるトラブルなど、全体の治療方針などをしっかりと矯正歯科医と話し合って決められるといいかな、と思います。

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